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集中しろ。
あいつの気を探すんだ。
一刻も早く、秀のもとへ。
あいつが徐々に陣から離れて
いってるのには気づいてた。
それを誘い入れている敵将が、
あいつに妙に執着している幻魔将螺呪羅だということも。
だけど俺は知将で、天空で。
感情に任せてあいつを助けに行けない自分の身が歯がゆい・・・
「深追いするな! 秀!」
力の限りに叫んでも、きっとあいつは行っちまうだろう。
ただ一直線に、前へ、まっすぐに。
「当麻! ここはもう大丈夫だ! お前は秀の元へ行け!」
見かねて俺を役目から解放してくれたのは、征士だった。
「サンキュ、征士。 恩にきる。」
俺は、軍師という役割の枷を外し、大空へと舞い上がった。
あいつが前線から離脱してからもう随分と経つ。
集中しろ。
あいつの気を探すんだ。
秀。今行く。無事でいろ。PR -
俺の折角の休日なのに。
あいつは学会に発表する研究がまにあわない。とか言って。研究所に篭ってしまった。
なにもやる気がおきない。
いつも邪魔でしょうがないのに。
ポッカリと穴があいたみたいだ。
不意に電話がなる。
「や~~と。終わった。へロへロだ~~!!
自力でそっちに帰る根性が無いから。
タクシーを呼んで戻るから。」
電話を切ったあと。
何故だか嬉しくなって。
俺はせわしなく動き始めた。
カズナオ作
俺の折角の休日なのに。
あいつは。店のかきいれどきだとか。
新作料理の仕込みだとか言って帰ってこない。
仕方がないので。店まで訪ねていって。
あいつの料理を食べてきた。
厨房から出てきてあいつと。
二言三言喋ってみたのだが。
料理人の服をきたあいつは別人のようで。
落ち着かない。
店を出て山下公園に向かう。
楽しげな家族づれとカップルばかりだ~~!
なんかひとりでにため息が出てきた。
ふと携帯がなった。
「当麻か?今どこにいる?休み時間をもらったんで。会おうぜ。」
俺は。憂鬱は何処へやら。
秀の言う場所まで走っていった。
ちゃとくん作
うっ、また来たな、「はしばとうま」め。
いつもの席に座ってだらしなく顔を緩ませている蒼い髪のヤツは、あたしの天敵だ。
「あっ、その注文は、いいよ。俺が作るからさ。」
どんなに店が忙しくても、どれだけ厨房が修羅場ってても、店長は「はしばとうま」の注文だけは、一から自分で作る。
そしてできた料理はウェイターに任せたりせず、必ず自分でヤツのテーブルまで運ぶのだ。
あたしの尊敬する秀店長。
その料理に対する姿勢に、直実で誠実な人柄に、あたしはずっと惹かれていた。
実力派若手料理人として雑誌に取り上げられてから、ずいぶんと遠い存在になってしまったけど、尊敬するその気持ちは今も変わらない。
その秀店長が!
たった一人、「特別」扱いしてるのが、ヤツ、「はしばとうま」だ。
直々に料理を手渡し、二言三言、言葉を交わす。
それが、この修羅場のランチタイムでどれだけ大変なことか、捨てられた子犬のような顔をして店長の背中を追っているヤツには、きっとわかってない。
自分が秀店長のたった一人の「特別」だって、きっとわかっていないんだ。
「おっし!ランチタイム終了まであと一時間。がんばるかー!」
晴れ晴れした顔をして、店長は厨房へ戻ってきた。
ひまわりのような笑顔が、今はちょっと悔しい。
いつか、いつか一言「はしばとうま」に言ってやろう。
秀店長を独り占めするな!って。 -