ちゃとくん　作　　当＆秀＆ラジ　SS

2024/09/29

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2018/12/09

緑囚

ちゃとくん　作

ふと会話が途切れた時とか、ぼんやりとCDを聴いている時とか。
街中で、部屋の片隅で。
無意識に、秀は周りへ視線を巡らせる。
ーーー誰かからの視線を探しているかのように。

秀が誰に惹かれているかなんて、とっくに知っていた。
そして、かつて敵対していたその相手への想いを、必死に隠そうとしていたことも。

「私が人間界に来ることは、おそらくもう二度とないであろう。
　だが、金剛。　私は、いつでもそなたを見ているぞ。
　・・・息災で暮らせ。」

そんなセリフを残し、あいつは煩悩郷へと帰っていった。
・・・秀のココロを縛り付けたまま。

だが、螺呪羅。
先に手放したのは、あんたの方だ。
俺は諦めない。
一生、秀の傍にいる。
いつか俺が、あんたを思い出の奥へと追いやってやるからな。

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