忍者ブログ

しかばねRUIRUI 新館

公式とは関係ありません。 趣味のブログです。 腐的表現があります。 鎧伝サムライトルーパーの女性向け同人ブログ。 (当秀・ラジ秀)イラストと小説を展示したいです。 投稿板 http://www14.oekakibbs.com/bbs/orirukokunn/oekakibbs.cgi

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ちゃとくん 作 当秀SS


 

「イベント」     ちゃとくん 作



寒さもようやく和らいできた、3月の最初の日曜日。
 連れて行きたい所があるんだ、と秀に誘われ、ついた先は浅草のとある建物の前だった。
「連れて行きたい所って・・・ここか?」
「ああ。 店のコに聞いたんだ。今日な、ここで、本のイベントがあるんだって。」
「本の、イベント?」
「それもほとんどが世間に未発表の本なんだと。 しかも、今日のイベントの元になるテーマがサムライなんとかって言うらしい。 お前の好きそうなジャンルだろ?」
 秀の嬉しそうな笑顔に促され建物の中へと入ってみると、そこには。
 手作り感あふれる個々のスペース。
 異様な熱気。
 本のイベント。 そう、これは・・・同人誌即売会ではないだろうか。
「当麻、本、好きだろ? こういうイベント、お前喜ぶんじゃないかと思って。」
 読書などほとんどしない秀が、まるで自分の事のように嬉しそうに笑うその姿に、愛しさが募る。
「サンキュ。 ・・・嬉しいよ。 何より、秀のその気持ちが嬉しい。」
 思いのままに抱きしめようとしたら、顔を真っ赤にした秀にグーで殴られた。

 活気あふれる会場内を、二人でゆっくり見て回る。
「なんか想像してたのと違うなぁ。 もっと分厚くて古そうな古文書とか、歴史書とか、そんなんばっかかと思ってたぜ。」
「んー、でも、これなんかほら。」
 と、当麻が手に取った本には、『蒼の軍師と大地の戦士』という題名が印字されていた。
「へぇ。 なんかちょっと、俺達みたいだな。」
 ぱらぱらとその本をめくると、当麻は財布を取り出した。
「うん、参考にできそうだ。 まだ試した事のない方法が載ってる。 これ、買ってくる。」
「役に立ちそうか?」
「ああ。 秀、お前も、実践には付き合えよ。」
「実践? 兵法かなんかか?」
「まあ、そんなとこだ。」
「そっか。」
 当麻が真剣に本を吟味しているのを見て、秀の顔にふわりと笑顔が浮かぶ。
「よし。 俺がとことん相手になってやるぜ。」
「お。 二言はないな?」
「あたぼーよ!」
 当麻の黒い笑みと、表紙に書かれた「18禁」の文字に気付かず、秀は嬉しそうに笑った。

PR

コメント

コメントを書く