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ー暖かな冬ー 「当麻! わりぃ、待たせちまったか?」 ぜんぜん、と言い終える前に、両頬が温かいもので包まれた。 「ウソつけ。 こんなに冷えちまって。」 ふわり、と。 頬を包む、あたたかな秀の手。 「あー、あったけー」 幼い弟や妹に、ずっとそうしてきたのだろう。その仕草は、ごく自然で。 冷えた頬を包むぬくもりは、心の奥まで染み渡る。 「お前なぁ、どっかあったかい所で待ってろって言ったろ。」 「いいんや。 俺が好きで待っとったんやから。」 「寒がりのくせして、変な奴だよなー。」 冬の凛とした空気が好き。 柔らかな陽射しが好き。 澄んだ空の下で、天をずっと身近に感じながら、こうして秀を待つのが好き。 ”こんなに冷えちまって” 人前でのスキンシップを嫌がる秀が、自分から触れてくれる数少ないこの機 相変わらずお前の言う事は訳わかんねー、と、秀は呆れた顔で笑った。 |
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