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しかばねRUIRUI 新館

公式とは関係ありません。 趣味のブログです。 腐的表現があります。 鎧伝サムライトルーパーの女性向け同人ブログ。 (当秀・ラジ秀)イラストと小説を展示したいです。 投稿板 http://www14.oekakibbs.com/bbs/orirukokunn/oekakibbs.cgi

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カズナオ 作 ラジ秀?SS
忘れな草

「ナアザ~~。ナアザはいるか??」
煩悩京の屋敷でけたたましい声がする。
「うるさいぞ。ラジュラ。少しは落ち着け。」
「おぃ。もうそろそろ例のものできたのではないのか?」
「あぁ。今度は間違えなく金剛だ。」

紐をひくと隠し扉が現れ。下に下りていく階段へと続く。
「お前が間違って光輪の髪の毛など。持って帰ってくるから。
はじめは。光輪を作ってしまったでかないか・・・
アヌビスは腑抜けになって毎日子供の光輪と遊びほうけておるわ~~!!」
「そ、それで。金剛は。・・・」
「ほら。そこに。」

みると。透明の瓶のようなものに。眠っている秀が。それも小学生ぐらいの。

「成長早めてあるから。目覚めれば。じきに今の金剛ぐらいになる。
まあ。根無し草だから。あまり情はうつすなよ」

ナアザの忠告も紫色の髪の眼帯をした男には。
聞こえていないようだ。
   

目覚めた少年は活発そのものだった。
そっちこちっちにものが。
目づらしいようだ。

金剛に少しでも似せようと思って。
服を買ってきてみた。

「おっさん。時々いなくなるなぁ・・俺。屋敷の中を捜したぞ。」
「会社に行っていたのだ。」
「会社??」
「他の世界と繋がった門があるのだ。
その世界は。こちらと違ってせせこましいぞ。この服はその世界のものだ。」
「どの門だ!!俺も行ってみたい。」
「教えてやらない。」
「ケ~~チ!!!」

「オッサン。俺もみんなみたいに馬に乗りたい。」
「お前にはまだ無理だ。」
「ウ~~。馬にのりたいぞ!そうだ。オッサン。馬になっておぶってくれよ。」

「何で私が・・・」
「ワ~~イイ。走ってくれよ。もっと早く!!」
ゼイゼイ

屋敷の中庭を走りまわされる。ラジュラ。

「あぁ~~~。幻魔将もかたなしだのぅ。・・」
ナアザはため息をつき障子を閉めた。
   

「おい~~。オッサンべたべたするなよ。」
胡坐の上で後ろから抱きかかえられた格好の秀が言う・
「ん~~なんだ。お前感じているのか?」
「そ。そんなんじゃね~。ただオッサンの手がやたら胸をいじくりまわして。
気持ちわるいからよ!!」
「そういうのは。感じていると言うのだ」
「なに言っているんだよ!!!」
   

ある日。俺は熱を出した。
おっさんは。あわくって。
俺の頭に氷嚢をのせたり。
おかゆを作ったり。
身体を拭いたりしていた。

「おっさん。なんでそんなことまでしてくれるの。(汗)」

「お主がなにより大事なのだ。」

肩にかけられて。手が熱い・・・
俺のほうが熱が高いはずなのに・・・
   

ラジュラ。俺・・・俺・・・。もうだめみたいだ。
シュウ
お前は何故そんな悲しそうな顔をする。

俺。俺。もう。ラジュラと暮らせない・・・
ラジュラは。優しく秀の耳にくちづける。
ハァ・・・ハァ・・しだいに息が荒くなってくる。


あの子がいなくなった。
ラジュラの心の中にぽっかりと穴が開いてしまったようだ。
しばらく庭をみながらほうけていると。
お前に客がきているようだぞ。とナアザが水鏡をもってきた。

会社の受付のお姉ちゃんだ。
「黒田専務。秀麗黄さまが受付にいらしています。」
やれやれ~~。一番今会いたくない顔だと思いつつ。
「すぐに行くと伝えろ」といい。
背広に着替える。
煩悩京と下界を繋ぐ。妖邪門の小型のものをくぐると
そこはもう会社の中だ。

「よぅ~~。久しぶりだな!!」
秀が屈託もなく笑う。
「少し。外に行ってくると。」受付のお姉ちゃんに言い。
2人で外をあるく。もう外は春だ。
「なんだ。何か用があるのか・・・」
唐突にラジュラが聞く。
「いや・・用ってわけじゃないけどよ。お前に一言言いたくって」
秀はなぜか顔を赤らめ。視線を合わせないようにしながら。

「なんだ。お主らしくもない。いやにものの挟まったいいかただな?」
「あの・・・よ。なんだ。お前と見た。煩悩京の花は綺麗だったな。」
「お主??・・・」
「何か。俺。夢を見るとよお~~。煩悩京でお前とずっと暮らしていた。
最初は。何だ~~~???と思っていたけどよ。結構楽しかったぜ。」

「あいつが俺で。俺があいつで。あ~~~なんかよくわかんねぇけどよ。
まだ。お前のことを思っているあいつはここにいるって。伝えたくって。
お前が望むなら・・・最後の日の晩のようなこともしてやってもいいぜ・・・」と。
最後の声はだんだん小さくなって。顔は真っ赤になっている。

「金剛、それはこれから楽しみだ。」とラジュラがいうと。

「じゃあ。俺はもう行くから。悲しむなよ。あいつはけっして不幸なんかじゃ。
無かったぜ。幸せだったぜ。短かったけど・・」

そして。ラジュラを残して駆け出した。
そして振り向くと手を振った。
ラジュラは春光のなか眩しそうにその姿を見送った。
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